参政党から離党した吉野敏明が新党「日本誠真会」を設立 元共同代表が語る離党の真相と政治家としての新たな挑戦

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歯科医師として活躍しながら政治の世界にも足を踏み入れた吉野敏明さん。参政党の共同代表として注目を集めた後、2023年11月に「理念が異なるため」として離党し、2024年10月に新たな政治団体「日本誠真会」を立ち上げました。

医療の専門家としての視点を持ちながら政治活動を行う吉野さんの経歴や思想、そして今後の展望について詳しく見ていきます。

吉野敏明と参政党はどのような関係だったのか?

吉野敏明さんは2021年12月、松田学さん、赤尾由美さんと共に参政党の共同代表に就任しました。参政党は「子供や孫の世代によい日本を残したい」という想いを持った普通の国民が集まり、特定の支援団体や資金源を持たずに活動する国政政党として注目を集めました。

参政党では、吉野さんを含む神谷宗幣さん、松田学さん、武田邦彦さん、赤尾由美さんの5人の主要メンバーが「ゴレンジャー」と呼ばれて支持を集めていました。この5人のうち吉野さん、松田さん、武田さん、赤尾さんの4人は、神谷さんが運営するユーチューブに出演経験があり、神谷さんの誘いを受けて参政党に参加したという経緯があります。

吉野さんは参政党の活動の中で、2022年7月10日に行われた第26回参議院議員通常選挙に立候補しましたが、党内個人票4位で落選しました。参院選後にはボードメンバーを退任し、外部アドバイザーに就任しています。

その後、2023年4月9日投開票の大阪府知事選に参政党公認候補として立候補しましたが、得票数4位(114,764票、得票率3.5%)で現職の吉村洋文氏に敗れました。この選挙は参政党が国政政党となって初めての知事選であり、統一地方選の象徴となる戦いでした。

しかし、2023年11月19日に「理念が異なるため」として参政党を離党。そして2024年10月17日に、新たな政治団体「日本誠真会」を立党し、党首に就任しました。参政党との決別は、政治理念の違いによるものとされていますが、詳細な理由については様々な憶測が飛び交っています。

なぜ吉野敏明は参政党を離党したのか?

吉野敏明さんが参政党を離党した理由については、公式には「理念が異なるため」とだけ発表されていますが、その背景にはいくつかの出来事があったと言われています。

まず一つ目の理由として、参政党内部での方針や運営方法に関する意見の相違があったとされています。吉野さんは医療専門家としての立場から、科学的根拠に基づいた政策提言を重視していましたが、党内では必ずしもそうした視点が共有されていなかった可能性があります。

二つ目の理由として、党内の人間関係の変化が挙げられます。当初は「ゴレンジャー」と呼ばれる5人の主要メンバーが団結して活動していましたが、時間の経過とともに意見の相違や路線の違いが表面化してきたと言われています。特に神谷宗幣さんとの間に亀裂が生じたという情報もあります。

三つ目の理由として、党の運営方針の変化があります。一部の情報によれば、参政党内部では規約の変更や意思決定プロセスの変更が行われ、それに対して吉野さんが異議を唱えたという話もあります。

吉野さん自身は、2023年11月19日の離党後、詳細な理由について多くを語っていませんが、「嘘つきとは一緒に活動できない」という趣旨の発言をしたという情報もあります。これは、党内での情報共有や意思決定プロセスに対する不信感を示唆しているのかもしれません。

また、2023年8月頃から参政党内部では様々な軋轢が表面化し始め、吉野さんだけでなく武田邦彦さんや赤尾由美さんなど、他の「ゴレンジャー」メンバーとの間にも溝が生じていたという情報もあります。

これらの要因が複合的に作用し、最終的に吉野さんは「理念が異なるため」として参政党を離党する決断に至ったと考えられます。

吉野敏明はどのような経歴の持ち主なのか?

吉野敏明さんは1967年10月18日生まれで、現在57歳です。神奈川県横浜市出身で、神奈川県立希望ケ丘高等学校を経て、1993年に岡山大学歯学部を卒業しました。その後、東京医科歯科大学歯学部歯科保存学第二講座(歯周治療学)に入局し、歯科医師としてのキャリアをスタートさせました。

2006年3月には吉野歯科診療所 歯周病インプラントセンターを開設し、2008年10月には医療法人社団誠敬会を設立して理事長に就任しました。2008年には日本レーザー歯学会優秀研究発表賞を受賞するなど、歯科医師としても高い評価を受けています。

2014年6月には内科部門を新設し、クリニックの名称を「誠敬会クリニック 内科・歯科」に変更。同年7月には精神科病院の医療法人十字会松見病院(現・やさか記念病院)の理事長に就任しました。2017年4月には医療法人桃花会一宮温泉病院理事長に就任し、同年6月には医療法人社団誠敬会 誠敬会クリニック銀座の院長に就任しています。

2022年11月には銀座エルディアクリニックの院長に就任し、現在に至ります。銀座エルディアクリニックは、内科・がん治療外来・歯科・歯科口腔外科を診療科目とする総合クリニックで、西洋医学と東洋医学、伝統医学と再生医療などを包括した総合治療を提供しています。

吉野さんは歯周病専門医・指導医の資格を持ち、歯科医師としての専門知識を活かした医療活動を行っています。ただし、内科やがん治療外来も診療科目に含まれているクリニックの院長を務めていますが、吉野さん自身は医師の国家資格は持っていないことに注意が必要です。

政治活動以外にも、著書『医療という嘘:医療業界に潜む集金システムの全貌』『ガンになりたくなければコンビニ食をやめろ!』『ドクターと牧師の対話』などを出版し、医療問題アナリストとしても活動しています。

吉野敏明はどのような政治的主張を持っているのか?

吉野敏明さんの政治的主張は、2022年の参議院選挙時の候補者アンケートの回答から垣間見ることができます。

外交・安全保障面では、ロシアに対する制裁を「より弱めるべきだ」と主張し、中国については「日本にとって脅威であり、より強い態度で臨むべきだ」と考えています。日韓関係については「対立する問題で互いに譲歩すべきだ」という立場です。

防衛政策については、防衛費をGDP比2%程度まで増やすべきだと考え、いわゆる「敵基地攻撃能力」の保有に賛成しています。さらに、「日本は核兵器を保有すべきだ」という強硬な立場を取っています。沖縄県の米軍普天間飛行場の辺野古移設計画については「どちらかと言えば賛成」としています。

経済政策では、岸田政権が掲げる「新しい資本主義」を評価せず、安倍政権の「アベノミクス」については「評価するが、修正すべきだ」と回答しています。社会保障制度については「給付水準を下げて国民負担を抑えるべきだ」と考え、消費税率は「引き下げるべきだ」としています。一方で、富裕層への課税強化には賛成の立場です。

社会政策については、同性婚の制度化や選択的夫婦別姓の導入に反対する一方、緊急避妊薬を処方箋なしで薬局で購入できるようにすることには賛成しています。

エネルギー政策では、脱炭素よりもエネルギー価格の抑制を重視し、原発については「当面は必要だが将来的には廃止すべきだ」という立場です。

憲法改正については独自の見解を持ち、9条については「改正して自衛隊を他国同様の軍隊に位置づけるべきだ」と考える一方、緊急事態条項を設ける憲法改正は「必要ない」としています。

これらの主張から、吉野さんは安全保障面では比較的タカ派的な立場を取りながらも、経済政策では消費税減税や富裕層課税強化など独自の路線を持ち、社会政策では保守的な傾向があることがわかります。

吉野敏明の医療に関する見解はどのようなものか?

吉野敏明さんは歯科医師としての専門知識を持ちながら、医療問題アナリストとしても活動しています。彼の医療に関する見解は、著書『医療という嘘:医療業界に潜む集金システムの全貌』『ガンになりたくなければコンビニ食をやめろ!』『ドクターと牧師の対話』などから読み取ることができます。

吉野さんは現代医療に対して批判的な視点を持っており、特に「戦前の日本に存在しなかった小麦食によって日本人にがんが増えた」という独自の主張を行っています。この主張は、現代の食生活の変化が健康に与える影響について警鐘を鳴らすものですが、科学的根拠については議論の余地があります。

また、銀座エルディアクリニックでは「量子波動器メタトロン」などを使った代替医療サービスを提供しています。これは西洋医学と東洋医学、伝統医学と再生医療などを包括した総合治療の一環として位置づけられていますが、こうした代替医療の効果については科学的に確立されていない部分もあります。

2020年3月には、旧統一教会系メディアの「世界日報」が運営するViewpoint公式チャンネルがYouTubeに投稿した動画「新型コロナウイルス対策はこれだ! シオンテクノロジーで不活性化」に出演し、「新型コロナウイルスを波動で不活化するシオンテクノロジー」を紹介したことも話題となりました。

新型コロナウイルス対策については、2022年の参議院選挙時のアンケートで「社会経済活動に重点を置くべきだ」と回答しており、厳しい行動制限よりも経済活動の維持を重視する立場を取っています。

吉野さんの医療に関する見解は、西洋医学の枠組みにとらわれない独自の視点を持つ一方で、科学的根拠に基づく医療の観点からは批判的に見られる部分もあります。医師ではなく歯科医師の資格を持つ吉野さんが、がん治療や内科疾患について言及することに対しては、専門性の観点から疑問視する声もあります。

吉野敏明の「日本誠真会」はどのような政党なのか?

吉野敏明さんは2024年10月17日に政治団体「日本誠真会」を立党し、党首に就任しました。参政党を離党した理由を「理念が異なるため」としていることから、新党では自身の政治理念をより明確に打ち出していくことが予想されます。

「日本誠真会」という党名からは、「誠実さ」や「真実」を重視する姿勢がうかがえます。これは吉野さんが医療の世界で「真実」を追求してきた姿勢とも通じるものがあるでしょう。吉野さんは1年近く考え抜いて決定した名前だと述べており、この名称に込めた思いは非常に強いものと考えられます。

新党の政策については、まだ詳細は明らかにされていませんが、吉野さんのこれまでの主張から、医療政策や社会保障制度の改革、教育改革などが中心になると予想されます。特に、西洋医学と東洋医学を融合させた新しい医療のあり方や、食と健康の関係性についての啓発活動などが重要な政策となる可能性があります。

また、参政党時代の主張を引き継ぎ、安全保障面ではタカ派的な立場を取りながらも、経済政策では消費税減税や富裕層課税強化など独自の路線を打ち出す可能性が高いでしょう。

「日本誠真会」の今後の選挙戦略については、吉野さん自身は2025年7月の参議院選挙を目標にしていると述べており、2025年4月現在予想される衆議院解散総選挙には出馬しない意向を示しています。ただし、他の政治勢力との連携については、原口一博氏の「ゆうこく連合」などが有力候補として挙げられています。

新党の組織体制や資金面での基盤はまだ確立されていないと思われますが、参政党時代の支持者や医療関係者などを中心に支持を広げていく戦略を取るのではないかと予想されます。

吉野敏明の今後の政治活動はどうなるのか?

吉野敏明さんの今後の政治活動は、「日本誠真会」の党首として、自身の政治理念を広めていくことが中心になると予想されます。

まず、2025年7月の参議院選挙に向けた準備が最優先課題となるでしょう。参政党時代の経験や大阪府知事選での経験を活かし、医療問題や社会保障制度の改革などを中心に訴えていくことが考えられます。特に、歯科医師としての専門知識を活かした医療政策の提言は、他の政治家にはない吉野さんの強みとなるでしょう。

また、YouTuberとしての一面も持つ吉野さんは、SNSやインターネットを活用した情報発信にも力を入れていくと思われます。参政党時代には「ゴレンジャー」と呼ばれる主要メンバーの一人として注目を集めましたが、新党ではより自身の個性を前面に出した活動を展開する可能性があります。

さらに、他の政治勢力との連携も重要な課題となるでしょう。原口一博氏の「ゆうこく連合」や、医療関係者の政治団体などとの協力関係を模索することで、より広範な支持基盤の構築を目指すと考えられます。

吉野さんは新党設立の記者会見で、「政治家としての活動は、医療の現場で見てきた問題点を解決するための手段」という趣旨の発言をしており、今後も医療と政治の両面から社会問題にアプローチしていく姿勢を示しています。特に、現代医療の問題点や食生活の改善、代替医療の可能性など、従来の政治家とは異なる視点からの政策提言が期待されます。

また、参政党時代とは異なり、「日本誠真会」では吉野さん自身がリーダーシップを発揮し、より自由に自身の政治理念を表現できる環境が整うことで、これまで以上に独自色の強い政治活動を展開する可能性があります。

ただし、新党の立ち上げから間もないこともあり、組織基盤や資金面での課題も少なくないでしょう。参政党からの支持者をどれだけ引き継げるか、また新たな支持層をどう開拓していくかが、今後の政治活動の成否を左右する重要な要素となります。

2025年に予定されている次期参議院選挙に向けて、吉野さんがどのような選挙戦略を取るのか、また「日本誠真会」としてどのような候補者を擁立していくのかに注目が集まります。

まとめ

吉野敏明さんは、歯科医師・歯学博士としての専門知識を持ちながら、政治家、言論人、YouTuber、医療問題アナリストとして多方面で活躍している人物です。1967年生まれの現在57歳で、神奈川県横浜市出身、岡山大学歯学部卒業後、様々な医療機関の理事長や院長を務めてきました。

2021年12月に参政党の共同代表に就任し、「ゴレンジャー」と呼ばれる主要メンバーの一人として注目を集めました。2022年の参議院選挙に立候補するも落選、2023年の大阪府知事選でも4位に終わりました。2023年11月には「理念が異なるため」として参政党を離党し、2024年10月に新たな政治団体「日本誠真会」を立党して党首に就任しました。

参政党を離党した理由については、党内での方針や運営方法に関する意見の相違、人間関係の変化、党の運営方針の変化などが背景にあると言われています。吉野さん自身は詳細な理由について多くを語っていませんが、「嘘つきとは一緒に活動できない」という趣旨の発言をしたという情報もあります。

政治的主張としては、安全保障面ではタカ派的な立場を取りながらも、経済政策では消費税減税や富裕層課税強化など独自の路線を持ち、社会政策では保守的な傾向があります。医療に関しては、西洋医学の枠組みにとらわれない独自の視点を持つ一方で、科学的根拠に基づく医療の観点からは批判的に見られる部分もあります。

「日本誠真会」という新党は、「誠実さ」や「真実」を重視する姿勢を党名に込めており、吉野さんの医療の世界で「真実」を追求してきた姿勢とも通じるものがあります。今後は2025年7月の参議院選挙を目標に、医療政策や社会保障制度の改革、教育改革などを中心に政治活動を展開していくことが予想されます。

吉野敏明さんの政治活動は、医療と政治の両方の視点を持つユニークな存在として、今後も日本の政治シーンに一石を投じ続けることでしょう。

 

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